2026年03月07日【着物スリーブにペプラムをセットしたステラマッカートニーのジャケット】
セミナーアーカイブ
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2h 35m
<2026春夏コレクションの特徴>
2026年春夏コレクションは、ここ10年以上続いてきた過剰な装飾性や極端なオーバーサイズから明確に距離を取り、全体としてきわめて抑制的で静かなシーズンとなった。誇張されたシルエットや視覚的インパクトを狙った造形はほとんど姿を消し、代わって服そのものの構造や成立条件があらためて今シーズンにおいて、特に顕著だったのは、シルエットよりも素材が前面に出ている点です。軽さや透け感、張り、落ち感といった素材特性がデザインの主役となり、縫製や加工、織りや編みなど、素材にかけられた手仕事の痕跡が静かに可視化されていました。これは装飾としてのクラフトではなく、服の存在理由そのものを支える要素としてのクラフトが再評価されているといえます。
また、ジャケットやコートに限らず、ワンピースに至るまで、レイヤーされることを前提とした設計が多く見られました。衣服は身体に密着するものではなく、人と服の間に生まれる空間―余白や空気層―を含めて成立するものとして扱われています。そのため、皮膚の露出や身体性を強調するデザインはほとんど見られず、官能性は意図的に排除されていました。基本的なシルエットは、肩幅を抑えた**長めの長方形(レクタングル)**によって構成されています。この均質で静かな形態に対して、わずかな切り替えや素材の差異、重ねによって立体感が与えられていますが、それはあくまで構造的な操作にとどまり、身体を強く意識させる方向へは踏み込んでいません。
総じて2026年春夏シーズンは、「新しさ」を前面に押し出す作家的なデザインではなく、既存の文脈や過去の要素を慎重に読み替える翻訳者としてのデザイン力が問われたシーズンでした。強い賭けや断絶は避けられ、変化の少なさそのものが、現在のファッションの状況を正確に映し出しているといえるでしょう。
<今シーズンを象徴するシルエットをドレーピングで読み解く>
これまで数シーズンにわたり、デザインの焦点は肩や襟周りに集中してきましたが、2026年春夏コレクションでは、その注目点が腰回りへと移行しつつあることが明確に見て取れます。ベルトによって軽くウエストを絞り、裾へ向かって柔らかく広がるジャケットや、腰位置にペプラムを配置したデザインが多く見られたことは、その象徴的な例といえるでしょう。
また、パンツに関しては、ほとんどのデザインがローウエストで着用されることを前提とした仕様となっており、腹部を見せるスタイリングも散見されました。こうした表現は、過去のトレンドを想起させる懐かしさを含みつつも、単なる回帰ではなく、視線の重心が再び腰へと引き寄せられていることを示しています。肩や上半身による誇張から離れ、身体の中央部に緩やかな動きを与えるこの変化は、2026年春夏シーズン全体に見られる、抑制的で構造重視の傾向とも呼応していると考えられます。
今回のセミナーでは、こうしたトレンドの変化を、ドレーピングの技術を通して実際に形にしながら、2回に分けて詳しく解説していきます。
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伊藤智之氏のセミナーは、そんな言葉から始まります。
学校で習った原型や製図を、実際の仕事の中でどう使えばいいのか。既存の型紙をどう読み、どこを直せばいいのか。ボディと人の身体は何が違い、ダーツやゆとりは何のために存在するのか。知っているつもりの「パターンの基本」を、もう一度、実務の視点から考え直します。
セミナーでは、人台と人体の違いから始まり、原型のドレーピング、前身頃・後身頃の組み立て、パターンメーキング、3D CADによるボディパターン、原型やダーツの展開を次々に実演。さらに肩パッド、メンズパターンへの展開、トワル組み、アイロンワーク、...