2026年08月22日【平面に描かれた理想を服の立体へ。】 オールインワンアイテムのデザインが「服」として立ち上がるまで
1h 21m
デザイナー 竹島 綾 × パタンナー 松川絵美
一枚のデザイン画から、服はどのように立体になっていくのか。
デザイナーのイメージを、パタンナーはどう読み取り、どこを判断し、どのようにパターンへ落とし込んでいくのか。
今回の東京ドレスフォームセミナーでは、デザイナー・竹島綾氏とパタンナー・松川絵美氏が、実際の一着を題材に、そのプロセスをライブで公開しました。
この企画まで面識がなかったデザイナーとパタンナーが、お互いの強みや好みや性格を探り探りデザインを服として成立させていきます。
松川氏があえて「初対面のデザイナー」と仕事をすることを選んだのは、馴れ合いのない状態で、実際の仕事に近い緊張感をそのまま会場に持ち込みたかったからです。
題材となったのは、テーラードの要素を取り入れたジャンプスーツ。
竹島氏から渡されたデザインをもとに松川氏がファーストパターンを制作し、セミナー当日、竹島氏は完成したトワルを初めて目にします。
ここから、本当のLIVE TOILE CHECKが始まりました。
モデルを務めてくださったのは、若い二人で縫製工場を営む株式会社普門工のリンさん。服づくりの現場にも携わる彼女の身体を通して、シルエットやバランス、分量、着心地を確認していきます。
さらに裁断用ドレスフォーム「BLOOM・M」にも着装し、
「人で見ること」
「ボディで見ること」
それぞれから何が見えるのかを検証しました。
デザイナーには、実際に使用するパターンです。
だからこそ、竹島氏から出てくるオーダーも真剣です。
シルエット、分量、バランス――。
一つずつ確認し、修正の方向を探りながら、二人の間で服のイメージが少しずつ共有されていきます。
ところが、トワルチェックも終盤。
袖付けについて、竹島氏から、それまで積み重ねてきた検討をひっくり返しかねない大きなオーダーが飛び出します。
思わず天を仰ぐ松川氏。
しかし、その要求をどう読み替え、どう服として成立させるのか。
予想外のオーダーに対して、その場で考え、整理し、次の一手を組み立てていく松川氏の対応力も、このセミナーの大きな見どころです。
完成した答えを見せるのではなく、デザイナーとパタンナーが迷い、考え、言葉を交わしながら、一着の服の着地点を探していく。
普段はなかなか見ることのできない、服づくりの現場そのものが記録されています。
そしてセミナーの最後には、会場に参加していた近藤 保氏から、もう一つ大きな問いが投げかけられました。近藤保氏は、東京ドレスフォームセミナーの講師で、ドイツ国立スフォルツハイム大学の芸術学部ファッションデザイン学科の教授です。
今回、竹島氏が用意したデザイン画にはAI生成が用いられていました。
AIによって生まれたイメージを、人間のデザイナーはどう扱うのか。
AIにどのように自分のデザインを作らせるのか、その意味、使い方、方法論など、服づくりにAIが入り始めた今だからこそ避けて通れない問いが、最後に浮かび上がります。
デザイン画からパターンへ。
平面から立体へ。
イメージから、実際に着る服へ。
その間に存在するのは、単なる技術だけではありません。
見ること、聞くこと、考えること、判断すること。
そして、異なる立場のプロフェッショナル同士が、言葉を交わしながら一つの服をつくっていくこと。
予定調和では終わらなかった、リアルなLIVE TOILE CHECKをぜひご覧ください。
【登壇者】
竹島 綾
AYÂME デザイナー
松川 絵美
パタンナー/STAR & STRIPES
【フィッティングモデル協力】
株式会社普門工
林心怡さん
【開催】
第15回 東京ドレスフォームセミナー
2026年8月22日
GOBLIN 北参道 ROADSIDE
Tokyo Dress Form Seminar
TOKYO DRESS FORM